直列-並列変換
共振回路の解析をする際、直列-並列変換を利用すると、回路が簡略化され解析しやすくなります。
直列-並列変換
直列 → 並列変換: 図1(a)→(b)
図1(a)のアドミタンスをYとすると
Y=1Rs+jXs=RsR2s+X2s−jXsR2s+X2s=1Rs(1+X2sR2S)+1jXs(1+R2sX2s)と式変形できます。Q=Xs/Rsとおくと
Y=1Rs(1+Q2)+1jXs(1+Q−2)となります。この式は、Yは抵抗Rs(1+Q2)とリアクタンスjXs(1+Q−2)の並列接続であることを意味しています。よって、図1(a)は(b)のように等価変換できます。
直列→並列変換
Q=XsRsRp=Rs(1+Q2)Xp=(1+Q−2)Xs=RpQ
変換後のQをQpとして求めてみると
Qp=RpXp=Rs(1+Q2)Xs(1+Q−2)=RsXsQ2=Qとなります。直列-並列変換によってQが変化しないことがわかります。
Q≫1の場合はリアクタンス成分はほとんど変化しません。
Rp=(1+Q2)Rs≈Q2RsXp=(1+Q−2)Xs≈Xs並列 → 直列変換: 図1(b)→(a)
並列→直列変換
Q=RpXpRs=Rp(1+Q2)Xs=Xp1+Q−2=RsQ
Q≫1の場合はリアクタンス成分はほとんど変化しません。
Rs=Rp1+Q2≈RpQ2Xs=Xp1+Q−2≈Xpたとえば、f0=420MHzにおいてR1=1.5ΩとL1=27nHの直列回路を並列回路に等価変換してみます。[計算]ボタンを押してください。
※ 直並列変換によって両者のインピーダンスが一致するのは、最初に仮定した周波数f0だけで、f0から離れるほどずれが大きくなります。共振回路の解析のように、共振周波数とその近傍の狭い周波数範囲における回路のふるまいを解析する際は、誤差は小さく、この等価変換は有効な手段です。
容量分割回路の等価変換
共振回路に負荷を接続する際、Qを低下させないようにするため、容量分割回路またはインダクタ分割回路を介して接続します。