オペアンプによる電圧-電流変換回路

図1の回路は入力電圧Vinに比例した電流Ioutを負荷に供給します。 左側のアンプはゲインが(R1+R2)/R1の非反転アンプ、右側はゲイン1の非反転アンプです、回路全体として正帰還ループを構成しているように見えますが、R2/R1=R4/R3とすれば正帰還回路とはなりません。

※ Ip≪Ioutならば、右側のオペアンプを省略(V2とR4の右側の端子をショート)しても構いません。

図1: オペアンプによる電圧-電流変換回路

R5の両端の電圧: V1,V2を求めると

\begin{align} &V_{1}=\left(1+\frac{R_2}{R_1}\right)V_n\\ &V_{2}=\left(1+\frac{R_4}{R_3}\right)V_p - \frac{R_4}{R_3}V_{in} \end{align}

となります。イマジナリーショートによりVp=Vnとなることを利用すると

\begin{align} I_{out} = \frac{V_{1}-V_{2}}{R_5} =\left(\frac{R_2}{R_1}-\frac{R_4}{R_3}\right)\frac{V_p}{R_5} + \frac{R_4}{R_3R_5}V_{in} \end{align}

となります。R2/R1=R4/R3とすると、第1項は相殺されて

図1の回路の入出力特性
\begin{align} I_{out}= \frac{R_4}{R_3R_5}V_{in} \end{align}

となります。

ブロック図

オペアンプのゲインを∞としてブロック図を描くと図2(a)のようになります。右側の加算点を左の加算点側へ移動すると図2(b)のようになります。 帰還信号は

\begin{align} \left(\frac{R_1}{R_1+R_2}-\frac{R_3}{R_3+R_4}\right)V_2=\left(\frac{1}{1+\frac{R_2}{R_1}}-\frac{1}{1+\frac{R_4}{R_3}}\right)V_2 \end{align}

ですが、R2/R1=R4/R3ならば0となります。よって、Ioutは

\begin{align} I_{out}=\frac{\frac{R_4}{R_3}}{1+\frac{R_4}{R_3}}\left(1+\frac{R_2}{R_1}\right)\frac{1}{R_5}V_{in} =\frac{R_4}{R_3R_5}V_{in} \end{align}

となります。

図2: 図1のブロック図