トランジスタの「飽和」の考え方

バイポーラトランジスタのコレクタ電流ICとコレクタ-エミッタ間電圧VCEの関係は図1のようになります。VCEが約0.2V以下では、ベース-コレクタ間pn接合が逆バイアスとなってコレクタ電流はほぼ一定となります。この領域を能動領域といい、トランジスタをアナログアンプとして使用するときは、能動領域となるようにバイアス点を設定します。

コレクタ-エミッタ間電圧VCEが約0.2V以下では、コレクタ電流ICがVCEに依存し、飽和領域といいます。この領域では、ベース-コレクタ間pn接合が順バイアスとなります。通常、トランジスタをスイッチング素子として使用する際は、飽和領域となるようにバイアス点を設定します。逆に、トランジスタをアナログアンプとして使用する際は、飽和領域とならないようにバイアス点を設定します。