エミッタ帰還(電流帰還)バイアス回路
電流帰還バイアス回路は、エミッタ電流が抵抗REに流れて発生した電圧でベース電流IBを調整する回路で、ブロック図は図1(c)のようになります。
ループゲイン=RERB(1+β)ループゲインを大きくすれば、トランジスタの電流増幅率βが変化しても電流の変化は小さく抑えられます。ただし、REを大きくすると出力電圧の最大振幅が小さくなるので、通常RE=1kΩ程度にします。

電流帰還バイアス回路は、動作点がトランジスタの電流増幅率のばらつき・温度ドリフトの影響を受けにくくした回路です。R1,R2に流す電流はQ1のベース電流の10倍程度としてvbがほぼR1とR2の分圧比だけで決まるようにしています。
vb≈R2R1+R2V1=33k68k+33k×5=1.6Vコレクタ電流ICは
IC=veR4=vb−VBE1R4=1.6−VBE11kとなります。vbはトランジスタの電流増幅率のばらつき・変動の影響を受けますが、R1,R2に流す電流をベース電流よりも大きく設定することで影響を小さくしているので、ほぼ定数とみなせます。よって、コレクタ電流はトランジスタの電流増幅率の影響を受けません。