シミュレーションコマンド

トランジスタやサブサーキット(下層図面)のモデル設定、シミュレーション条件の設定は、部品: commandを使用して記述します。val欄にシミュレーションコマンド(ドットコマンド)を記述してください。


.AC DEC START=fstart STOP=fstop N=num

AC解析(周波数スイープ)をおこないます。非線形素子は線形化モデルが使用されます。

パラメータ 説明 デフォルト値
DEC 周波数スイープ方法
  指定なし: STARTからSTOPまで等間隔でスイープ
  DEC: 周波数の対数に対して等間隔でスイープ
指定なし
START 開始周波数 1
STOP 終了周波数 100MEG
N データ数
  STEP=LINの場合: STARTからSTOPまでのデータ数
  STEP=DECの場合: 1 decade内のデータ数
101

例: デフォルト条件で解析

.AC

例: 周波数0Hzから1GHzまで100MHzステップでスイープ

.AC START=0 STOP=1G N=11

例: 周波数1Hzから1GHzまで1 decadeあたり10点でスイープ

.AC DEC START=1 STOP=1G N=10

.CALC y=func[V(x1),V(x2)]

組み込み関数を実行します。組み込み関数の一覧は 組み込み関数一覧 をご参照ください。

引数説明
func組み込み関数名
V(x1),V(x2)関数入力値。V(x1)はノードx1の電圧です。電圧源Vxxの電流はI(Vxx)と記述します。
y関数出力値

例: ノード1とノード2の電圧差を求めます

.CALC y=sub[V(1),V(2)]

または以下のように記述することもできます。

.CALC y=V(1)-V(2)

例: ノードvoutの電圧の絶対値を求めます

.CALC y=abs[V(vout)]

.DC element START=vstart STOP=vstop STEP=vstep

指定した素子の素子値をスイープしてDC解析(DCスイープ)をおこないます。

パラメータ 説明 デフォルト値
element スイープする素子(V1,I1,R1など)。温度の場合はTEMPとします。
START スイープ開始値 0
STOP スイープ終了値 1
STEP スイープのステップ値 (STOP−START)/10

例: 電圧源V1の電圧を0Vから5Vまで0.1Vステップでスイープ

.DC V1 START=0 STOP=5 STEP=0.1

例: 抵抗R1の抵抗値を1kΩから10kΩまで2kΩステップでスイープ

.DC R1 START=1k STOP=10k STEP=2k

例: 温度を-50℃から150℃まで10℃ステップでスイープ

.DC TEMP START=-50 STOP=150 STEP=10

.IC V(n1)=val または .IC I(element)=val

過渡解析のt=0におけるノード電圧または素子の電流を設定します。キャパシタの初期電圧、インダクタの初期電流を設定する場合に使用します。


.MODEL modelname modeltype params

トランジスタ、ダイオード、Sパラメータ素子などのモデルを定義します。

引数説明
modelnameモデル名
modeltypeモデルタイプ
paramsパラメータ代入式
modeltype params書式 説明
S2P FILE=filename s2pモデル(ファイルからリード)
S2P ID=id s2pモデル(textareaからリード)
S3P FILE=filename s3pモデル(ファイルからリード)
S3P ID=id s3pモデル(textareaからリード)
TL param1=val1 param2=val2 ... 伝送線路モデル
D param1=val1 param2=val2 ... ダイオードモデル
NPNparam1=val1 param2=val2 ... npnトランジスタモデル
PNPparam1=val1 param2=val2 ... pnpトランジスタモデル
NMOSparam1=val1 param2=val2 ... nmosトランジスタモデル
PMOSparam1=val1 param2=val2 ... pmosトランジスタモデル
SUBCKTFILE=filename param1=val1 param2=val2 ... サブサーキット設定

params書式

各モデルタイプにおけて定義されているパラメータは、シミュレーションモデルをご参照ください。


.OP

DC動作点解析をおこないます。


.OPTIONS TNOM=tnom TEMP=temp

標準温度tnom、解析温度tempを設定します。 標準温度(tnom)とは、ダイオードやトランジスタモデルのBF(電流増幅率)やIS(飽和電流)が何℃における値なのかを指定するためのものです。 何も設定しない場合tnom=27.0℃, temp=27.0℃となります。

例: 解析温度100℃で解析

.OPTIONS TEMP=100

.PRINT I(element)

引数説明
element抵抗の素子番号(ref)

抵抗を流れる電流は標準設定では保存されません。保存するには下の例のように記述します。

例: 抵抗R1の電流値を保存します

以下のように設定すると、シミュレーション実行後にR1の上にマウスオーバーすると電流値が表示されるようになります。

.PRINT I(R1)

.SP DEC START=fstart STOP=fstop N=num

Sパラメータ解析をおこないます。コマンドの書式は.ACと同じです。


.TRAN STEP=tstep STOP=tstop

過渡解析をおこないます。

パラメータ 説明 デフォルト値
tstep 最大時間ステップ STOP/100
tstop 終了時間 1

Kxx L1 L2 val

インダクタL1とL2の相互インダクタンス(結合係数)を設定します。