ざわざわシミュレータの特長・注意事項と活用事例

特長と注意事項

特長

※ 本ホームページに記載していない機能につきましても、アドオンで対応可能な場合がありますので、お問合せください。

注意事項

表: ローカル環境での機能制限   Oは動作する、Xは動作しない
IE11 Chrome Firefox
回路図エディッタ起動、回路図ファイル(.xml)の読み込み O O (注1) O
ローカルフォルダのSパラメータファイル(.s2p)の読み込み X (注2) O (注1) O
リサイクル(一時保存)機能 X (注3) O (注1) O

(注1) 起動オプション「-allow-file-access-from-files」を付けてブラウザを起動する必要があります。

(注2) IEの場合ローカル環境では.s2pファイルを使用したSパラメータシミュレーションはできません。textareaを使用して手動でコピペすれば可能です。

(注3)リサイクルを使用した一時保存はできませんが、通常の保存はできます。ただし、の中に自動バックアップファイルは作成されません。


活用事例: 高周波回路のSパラメータシミュレーション

Sパラメータ解析は、パラメータが複素数の数表で与えられるため、低周波回路の解析のように電卓だけで計算することは困難です。Sパラメータに対応したシミュレータを使用する必要がありますが、設定が難しくとっつきにくいものが多いです。ざわざわシミュレータは、Sパラメータに関する知識があまりなくても使えるように、安定係数(stability factor)、stability circle等の主要なパラメータは自動的に計算します。

高周波アンプのSパラメータ シミュレーション

高周波アンプの設計では、ゲインの周波数特性に加え、安定係数等発振対策のシミュレーションも不可欠です

図: 高周波トランジスタのゲインS21、反射係数S11及びS22、stability circle シミュレーション

上の図では、スイープ周波数範囲においてstability circleがスミスチャートの中に入り込まないことより、安定であることがわかります。

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図: 高周波トランジスタのgain circle, noise circle シミュレーション

※ noise circleはs2pファイルの中にノイズパラメータが含まれている場合にプロット可能です。


フィルタ回路のSパラメータシミュレーション

部品メーカの提供するs2pファイルを使用して、受動部品の損失を考慮したシミュレーションが可能です。 ワンクリックでモデル変更・シミュレーション再実行ができ、使用するモデルによって回路特性がどのように変化するのか確認できます。

図: インダクタのSパラメータモデルを使用したLPF シミュレーション

バラン、高周波スイッチのシミュレーション

Sパラメータシミュレーションのポート数は9個まで可能です。バランや高周波スイッチ(SPDTスイッチ)のシミュレーションも可能です。

図: LCバラン シミュレーション
図: 高周波スイッチ シミュレーション

マイクロストリップ(無損失伝送線路)のシミュレーション

無損失伝送線路のシミュレーションが可能です。特性インピーダンスZ0、速度係数VF(velocity factor)、長さLを指定します。

図: マイクロストリップを使用したインピーダンス整合回路 シミュレーション

活用事例: オペアンプ回路の設計

低周波アナログ回路の設計は、オペアンプを使用するのが一般的です。オペアンプ回路の設計は、手早く回路定数を決め、シミュレーションで動作チェックをおこない、実機で詳細解析をします。

オペアンプのマクロモデルは、電圧制御電圧源(vcvs)を使用した理想オペアンプ、帯域制限付きオペアンプが標準で利用可能です。自作することもできます。

図: オペアンプのマクロモデルを使用したBPF シミュレーション

活用事例: トランジスタ回路の解析

電子回路の設計においてICの内部回路を知らなくても特に困ることはありませんが、ICの内部回路を理解できるようになると、電子回路に対する理解力が飛躍的にアップします。

下図は78シリーズ三端子レギュレータの内部回路で、入出力電圧特性と過電流保護回路の特性(フの字特性)をシミュレーションしています。ノード電圧はマウスオーバーすれば表示されるので、過電流保護回路、スタートアップ回路部分で通常動作時にオフしているトランジスタが簡単に確認できます。

図: 三端子レギュレータの内部回路 シミュレーション