カスコードアンプの周波数特性

ハイブリッド・パイ形等価回路を使用して、通常のエミッタ接地アンプとカスコードアンプの周波数特性を比較しています。パラメータは Gm=30mS, Rπ=5kΩ, RO=100kΩ, Cπ=10pF, Cμ=1pF としています。

入力電圧がベースに接続された抵抗とRπで分圧されて1/3になるので、DCゲインは (1/3)gm×10k=100倍となります。

左側の回路でR1からトランジスタのベースを見込んだ容量は、Cπ=10pFと100×Cμ=100pF(ミラー効果によりDCゲイン倍される)の和110pFとなるので、カットオフ周波数は 1/(2π×10k×110p)=145kHzとなります。

一方、右側の回路では、X3によってX2のコレクタ電圧がほぼ一定に保たれるのでミラー効果が生じず、X2のベースを見込んだ容量は Cπ+Cμ=11pF (左側の回路の1/10)となります。よって、カットオフ周波数は1.45MHzとなります。