ピーキング電流源とその応用


ピーキング電流源の動作原理

バイポーラトランジスタの回路では、電流パス上に抵抗を置いて、その電圧降下でトランジスタのもつ欠点を打ち消すような作用をさせることがあります。単純なカレントミラー回路は、アーリー効果のためQ2のコレクタ電圧が大きくなるほどコレクタ電流も増加しますが、下の回路ではピークをもった特性となります。

入力電流I1が小さいときはR1での電圧降下が無視できるのでIout≈I1となりますが、I1が大きくなるほど、Vb1はI1に対して対数で増加するのに対し、R1での電圧降下はI1に比例して増加します。

\begin{align} V_{B1} &= V_T\ln\left(\frac{I_1}{I_S}\right)\\ V_{B2} &= V_{B1}-R_1I_1 =V_T\ln\left(\frac{I_1}{I_S}\right) - R_1I_1 \end{align}

よって、I1が増加するほど、Vb1に対してVb2は第2項の分だけ小さくなります。Ioutがピーク値をとる条件は、Vb2の式をI1で微分して

\begin{align} R_1=\frac{V_T}{I_1}=\frac{1}{g_m} \end{align}

となります。


ピーキング電流源を利用したオペアンプのバイアス